NEWLAND

すこし前まで、ここは忘れられた場所でした。かつてクレーン教習所として使われていた広大な敷地。教習所や合宿所施設、大型重機を収容した倉庫といった建物も残されたまま、廃墟となっていたのです。
何でもない風景の一部として通り過ぎるだけだったこの場所が、2012年7月、「NEWLAND」として生まれ変わりました。
「NEWLAND」の言葉の通り、出現するのは新しい大地です。敷地の大部分を占めるのは、実や葉を食べることのできる樹木や植物の植わった「エディブル・ガーデン」と、広々としたドッグラン。残されていた建物も、取り壊すことなく、リノベーションによってそれぞれに新しい命を吹き込まれました。
約15m×50mもの大きさの倉庫の新たな役割は「SHOP」＝ショッピングモール。天井の高い巨大な空間のなかに、それぞれにこだわりのある大小のショップが軒を連ねます。パン屋やクリーニング屋、有機野菜や珍しい調味料が並ぶグロッサリーなど生活に密着した店があるかと思えば、都内でも人気のセレクトショップや飲食店まで多彩な顔ぶれ。個性豊かな店主たちとコミュニケーションをしながら散歩だってできる、いきいきとした街が出現しました。元の教習所の建物「HOUSE」では、国内外のデザインアイテムや手のぬくもりを伝えるクラフト、暮らしの道具などが揃うライフスタイルショップ、そしてギャラリーも展開。
さらに、もとは合宿所施設だった建物は、ワークショップのための教室と宿泊設備をそなえた「SCHOOL」に。料理からヨガまでさまざまなジャンルの教室が開催されるほか、親子プラグラムも多彩。週末や長期休暇には、泊まりがけで周囲の自然やものづくりを楽しむこともできるのです。
毎朝のパンを買いにくるお母さん、クリーニング済みのワイシャツをとりにきたお父さん、デートのための服を探す中高生、大きなドッグランでうれしそうに走り回る犬……。ワークショップで覚えたばかりの料理を試そうとグロッサリーに立ち寄る人や、さまざまな木々の葉っぱのかたちに興味をもって夏休みの自由研究をする小学生もいるでしょう。そんな孫を眺めながらお弁当を広げるおじいちゃん、おばあちゃんの姿も目に浮かびます。
誰もが心から楽しみ、何かを見つけることのできる場所、それが「NEWLAND」です。形のあるなしに関わらず、ここで手に入れたものは、一人ひとりの暮らしに新しいストーリーを添えてくれるものになるはず。http://www.new-land.jp/